臨機応答・変問自在2

臨機応答・変問自在 2 (集英社新書)

臨機応答・変問自在 2 (集英社新書)

小説家・森博嗣がネットから集められた質問に淡々と答えていくQ&A集。前著では、大学教授である氏が、授業で毎回学生全員に提出させている質問の数々の中から、一般の人が読んでも面白いと思えそうなものをピックアップしたものであった。それを今回はインターネットで広く募り、まとめている。

掲載されている問答はおよそ600。これだけの質問にひとつひとつ答えていくのを見ていると、会ったことも無い森博嗣という人間の輪郭が浮かび上がってくるようだ。回答は常に端的。つっけんどんで冷淡な回答も多いがその中にはウィットに富んだ賢さや人間くささが見え隠れする。なるほど確かにあの小説を書いた人なのだなと感じた。

せっかくなので、私が惹かれた問答を4つだけ紹介。

Q.何故「偽り」は人(ひと)の為(ため)と書くのでしょうか。<女性 19歳 大学生 愛知県>
★作詞をしているのですね?

Q.ウチの高校のある先生が「努力する奴は馬鹿」と言っていたのですが、どう思いますか?<男性 18歳 学生 埼玉県>
★その先生は、きっと努力をしたのでしょう。

Q.今まで生きてきた中で一番後悔したことはどんなことですか?<男性 18歳 大学生 栃木県>
★あまり後悔したことはありません。もう少し後悔しておけば良かったなあ。

Q.どうして自分が寝た時間は、正確に覚えていられないのですか?<女性 18歳 高校生 埼玉県>
★覚えていないのではなく、何時なのかインプットしていないのでは。


本書の中では、読者に対する森氏からの質問があるので、最後に答えておく。

Q.本書はあなたにとって何かの役に立ちましたか?<男性 52歳 小説家 愛知県>
★クス、とさせてくれる時間をいただきました。