Scala Conference in Japan 2013に参加してきました

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1週間前になってしまいましたが、Scala Conference in Japan 2013にスピーカーとして参加してきました。

すごい熱気

運営サイドも大層不安だったようですが、正直私も最初は「休日に3000円も払わせて200人もScalaで集められるの??」と思ってました。しかし、蓋を開けてみればあっという間に完売したのですから驚きでした。当日の熱気もすさまじく、Scalaへの注目度の想像以上の高さを知ることができました。

これはひとえに水島さん筆頭に、運営チームの御活躍あってのものだと思います。本当に素晴らしいカンファレンスでした。お疲れさまでした。

またScalaやPlay界隈の、普段Twitterでよくお見受けする人達が一通り集まっていて、その人達と懇親会含めて会話できたのもとても良かったです。

Scala ActiveRecordデビュー!

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個人的に一番良かったのは、scala-activerecordの認知度がぐっとあがり、すごく注目されたことです。scala-activerecordを開発しているASE社さんとは縁があることから、リリース時から応援させてもらっています。去年のアドベントカレンダーでも入門記事(Play! scala-activerecord - TEPPEI STUDIO)を書かせてもらいました。
今回の発表に向けて、0.2にアップグレードしているので、また紹介記事を書きたいと思います。

私の発表

普段、Playの勉強会などは個人として参加しているのですが、今回は会社の人間として参加して、Scala利用事例を紹介させていただきました。エントリーにあたっての事前承認、掲載紹介文章やプレゼン資料のコンプラチェック等々、きちんと社内の所定手続きを行いました。

Scala in our BRMS

会社で作った資料が、公開されるのは奇妙な気分ですね。


私の発表では、Scalaの技術的なTipsやノウハウというよりは、純粋に事例としての紹介にとどめました。Scalaの使いっぷりとして、特別なことをしているわけでもないので、あまり話すことがなかったというのがあります。しかしそれ以上に、うちのような会社でも注目しているということ、新言語へのアプローチとしてどう考えているかを話すことが重要かと考え、そちらに集中するようにしました。

ダイクシーさんに褒めていただくなど、なかなかにいい反響があり、やって良かったと思います。

これからのScalaへの関わり方

システムイニシアティブ研究会というコミュニティの存在に象徴させられるように、日本の大手ユーザ企業にとって、システム開発をどう掌握するかは大きな課題です。ほとんどの企業が、ベンダー依存状態に苦悩しているはずです。

私はこの問題の解決には、機能面・役割分担面の両面で、内製範囲と外注範囲をうまく棲み分けすることが肝要だと考えています。そこには二つのアプローチがあります。ひとつは、技術的難易度を低くしつつ、それでいて柔軟なシステム反映が可能なように内製範囲を抽出するということ。ひとつはより先進的で高度な技術を積極的に採用しつつ、それでいて汎用的な機能性を提供できるように外注範囲をくくり出すということ、です。

講演の中でも話した通り、Scalaの大きなメリットは以下3点だととらえています。

  • DSLを言語レベルでサポートしていること
  • 強力な言語仕様で高い生産性を実現できること
  • 既存Java資産にうまくとけ込めるということ

Scalaはこのメリットを以て、システムイニシアティブの問題に大きく貢献できると考えています。つまり、

  • DSLによって技術的難易度をおさえつつも、柔軟な機能反映を実現
  • 情報感度が高く技術力が高いエンジニアには十分な武器(言語)を提供
  • それらを既存Java資産、Java開発運用上にスムーズに実現

という風にできるのではないかと思います。

私はしばらくこの仮説の元、Scalaと付き合っていきたいと思っています。

1エンジニアとしては、Scala-activerecordの自称エバンジェリストとして頑張ってみようかな。
国産フレームワークとして海外に情報発信することもやってみると面白いかも。