TEPPEI STUDIO

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電話再考

ここ数ヶ月、Facebook App Award、Graph Hack Award、Mashup Award と、各アワードに参加していろいろ知見が溜まっているので、しばらくブログでアウトプットしていきたいと思います。

 

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 まず始めに、MA8関連で参加したboundio meetupでLTした内容です。boundioというのはKDDIウェブコミュニケーションズ社が提供している電話APIで、アプリケーションからAPI経由で電話をかけることができます。MA8では動画と電話を連携させたアプリをエントリーしたのですが、そのアプリを考える際に、いろいろ電話というデバイスがもたらすユーザ体験について考えて面白かったので、それについてLTしました。

 

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電話というデバイス・手段をWEBアプリケーションに組み込むことを考えるのは思ったより難しいものでした。単純に連携させるだけでは芸が無く、うまくアプリと電話が融合させたものを考えたいところです。それには「電話でなくてはいけない」要素が必要になってきます。

 

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電話が一義的に持つ役割を考えると、今の時代、必ずしも電話である必要ではなく、インターネットの技術によっていくらでも代替手段があります。

 

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その前提で、それでも電話がもたらすユーザ体験は何かということを考えると、3つあるのではないかと考えました。それが「プライベート感」、「誰にでも届く」、「時代を超えてあり続ける」の3つです。

 

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まずプライベート感というところでは、「認証」という使われ方が考えられます。今やほとんどの人が持っている携帯電話はもはやIDとしての存在感を持っており、そこに電話をかけてしかるべき応答が返ってくるならば、認証として扱えるわけです。Amazon Web Service のアカウント作成の際には電話認証が求められます。登録した電話番号にかけられた電話でキー番号が伝えられるので、それをWEB画面で入力することを求められます。

あるいはPCのモニタではなく、基本的にはわざわざ耳に近づけ聞く音なので、いわば「耳打ち感」が出ます。MA8にもいくつか「目覚まし電話」的なアプリがエントリーされてましたが、代表的な使われ方だと思います。

 

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続いて、誰にでも届くという点です。インターネットが普及していない地方や、高齢者でも電話はつながります。boundio APIを使った作品の第1号である「まちみえーる」ではまさにこのユーザ体験を提供しており、病院等の受付待ちで順番が回ってきたら自動的に電話がかかってくるというサービスです。

 

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さて、ここで突然ですが、上の画像に並ぶ、三つの映画の共通点がお分かりでしょうか。そう、どれも公衆電話に謎の電話がかかってきて、主人公がその電話口で脅迫されたり指示されたりする演出がある映画です。インターネットが普及する前は、一方的に且つ、リアルタイムにコンタクトをとることができる手段は電話だけだったわけです。さらに公衆電話という通常は能動的に接するデバイスから、電話がかかってくる非日常感が話を盛り上げる訳です。

 

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つまり「なんで電話でないといけないのか」という問いに、「電話しかない時代だったから」という答えを返すことができるアプリも面白いと考えた訳です。上のスライドは、そんな観点で考えたみたゲームです。

 

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このように、いくらでも代替手段があるのに関わらず、それでも存在しつづけている手段だからこそ、もたらすことができるユーザ体験があるのです。こうした思考実験はとても楽しかったです。

 


お〜いおまえねむっTEL

最後にこの作品を紹介します。boundio APIを使った作品は14作品エントリーされましたが、boundio賞の最有力候補がこの「お〜いおまえねむっTEL」です。プレゼンの上手さも手伝って、東京地区1stステージでは見事1位を勝ち取り、2ndステージに駒を進めました。

どんなものかは動画を見てください。前述の電話がもたらす「プライベート感」に加え、boundio APIの1回25円(高い!)という課金体系を「ペナルティ」というユーザ体験に置き換えているあたりが、まさに傑作です。

ともに東京ステージを競った間柄として、是非グランプリを勝ち取ってもらいたいです。応援しています。