空気の読めない日本

Newsweekの日本版オンラインサイトには、外国人によるコラムが充実していて面白い。
その中で、こんな記事を見つけた。

共通の敵に分断された米韓と日本 | オブザーヴィング日本政治 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

この記事を読むと、また新しい視点で北朝鮮対策が見えてくる。

印象的なのは、以下の一文だ。

日本は北朝鮮政策で自分だけの世界に引きこもってしまった

つまり、日本は自国防衛のためだけに北朝鮮への制裁対策をとろうとしているし、先制攻撃の準備をしようとしている、あるいはそれができる立場にいるわけだが、アメリカはそうはいかず困ってしまっているというのだ。


どういうことかと言うと、アメリカは日本とだけ安全保障同盟を結んでいるだけではなく、韓国とも結んでいる。アメリカは北朝鮮によって韓国が危機にさらされた際には、それを守る法的な義務が存在している。このため、アメリカはそう易々と北朝鮮を挑発することはできないし、ましてや先制攻撃には相当に慎重にならざるを得ない。もしアメリカが攻撃あるいは挑発したために、北朝鮮が通常戦力で韓国に攻撃を仕掛けた場合は、韓国にはそれなりの被害が出てしまうだろう。


しかし、日韓間での軍事同盟は存在せず、日本が北朝鮮を攻撃したことによって、北朝鮮が韓国に攻撃を仕掛けることに対して、何か配慮する義務は無いのだ。このため、徐々に日本では北朝鮮に対する過激な発言が強まっており、アメリカに対してもそれに賛同する声を強めているが、アメリカはもっと広い視野でこの問題をとらえており、日本と同じレベルでは対処できない状態にある。


政府はこの問題について、どの程度、アジア情勢を俯瞰的に見れているのだろうか。そうした同盟国や隣国の事情も察した対策を取り、「アメリカさん、こちらはそんなに心配しないで」と言えるような態度を取ることこそが、国際社会でのリーダーシップを取るということなのではないだろうか。東アジアは日本がうまくまとめてくれているわと、国際社会にアピールできるようになって欲しいものだ。


もちろん、国民感情としては、強硬論の方が根強いだろう。内と外の顔をうまく使い分けて調整力を発揮して欲しい。空気を読んで玉虫色の態度を示すという日本人の得意技を堂々と披露してほしい。