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住宅購入はリスクの丸抱え

アゴラシンポジウムの話でも、リスクをとった後、丸抱えしなければならないという話があった。


これを象徴的にあらわしているのは、住宅ローンの仕組についてだろう。言うまでも無く、住宅購入は人生の中で最大の出費となるが、それを支える住宅ローンの仕組には、日米で大きな違いがあるらしい。米国では、融資条件がノンリコース(借主責任限定型)になっているそうだ。これは住宅地企画開発プランナーの、澁谷征教氏が日経ビジネスオンラインの「日米住宅漂流記」というコラムで詳しく述べられているが、要するに以下のようなことらしい。

少々乱暴に言えば、住宅ローンの月々の支払いが滞り、支払い不能に陥った場合、住宅をローン会社に譲り渡し、返済を止めてしまえば、ローン残高を支払うことなく、ひとまず一件落着となる、ということです。

 つまり頭金を20%、融資額を80%の20年のローンとし、借り手が途中で金融事故を起こした場合、住宅を手離せば済むのです。金融機関が物件を競売にかけ、その売却価格がローン残高を下回った価格で売却されたとしても、借り手は返済の責任が生じません。極端な話、持ち家が差し押さえに直面したら、後は金融機関に投げ出せばそれで済むのです。もちろんその後のペナルティーは別です。

一方、日本では、

「リコース条件」付き、つまり、差し押さえとなり競売に出され借入残高より低い価格で売却された場合、差額を借り主が負担する義務が生じる貸し付け条件

が融資条件となってる。

このため、

日本では、ローン残高以下に市場価格が下がっても、ローンを最後まで返済するのは、自己破産しない限り、致し方ありません。一方、米国では、ローン残高よりも住宅価値が下がると、「騙されたと感じる」ということです。

ということらしい。

さらに澁谷氏は、この仕組が町並みの景観も変えると指摘する。
つまり、

米国では「建築三法」が確かな住宅を建築する基準として策定されていても、売らんがための目先の華美で斬新な住宅デザインや住宅の機能では、いずれ飽きられてしまうため、資産価値を持続することができません。そこで将来、住む人々が誇りを持てる街並みや、飽きることのない住宅デザイン、豊かな街並みの景観を求めました。つまり未来永劫、住民がアイデンティティーを持てる街であれば決して資産価値は下がらないだろうと考えたのです。

しかし、日本は一度購入されたら売ることをあまり前提にしていないので、町並みの景観がばらばらになってしまうという。確かに、なぜこと町並みに関しては、日本人の美的感覚が反映されず、ごちゃごちゃしてしまうんだろうとずっと疑問に思っていたが、そういうことだったのか。

もはや、日本で住宅を購入するということが馬鹿馬鹿しく感じられてくる。