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100億円で日本を救え、さもなくば死ね

嫁の薦めでアニメ「東のエデン」を見ている。

東のエデン 第1巻 (初回限定生産版) [DVD]

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謎の男に突如さらわれ、「100億円で日本を救え。さもなくば死ね」、のようなことを言われた12人の日本人の一人が主人公の物語。「攻殻機動隊」の監督を務めた神山健治氏と、音楽を担当した川井憲次氏、制作を手がけたProduction_I.Gが参加。そして「ハチクロ」の羽海野チカ氏がキャラクターデザインを手がけ、フジテレビのノイタミナというアニメ専用枠で放送され、さらにはすでに映画化まで決定しているとあって、かねてから話題になっていた。

前評判通り、圧巻の作品。映像、音楽と供に群を抜いてハイクオリティ。面白いのは、主人公が記憶喪失の状態から始まるところ。12人の活動はすでに始まっていて、主人公もすでに20億円ほど使っている。しかし何故か主人公は自ら記憶を消しているため、自分が置かれている状況を確認しながら、物語のイントロは進んでいく。その世界観と、おかれた状況、そして登場人物たちの紹介が、至極自然で分かりやすく、且つスリリングなために、あっという間に物語に引き込まれてしまった。

主人公は国を救うために何をしていたのか、これから何をしようとするのか――。5話まで進み、主人公はやるべきことを見出したようだ。

ところで、自分に置き換えた時に、100億円渡されて何をするだろうか

この国の”空気”に戦いを挑んだひとりの男の子と、彼を見守った女の子のたった11日間の物語。

と、いうのが、本作品の副題。どうやら「空気」と戦うらしい。「空気」を相手取るのは、個人的にもひどく同意できる。日本を救うために戦わなければならない、最大の敵だ。タイムリーなことに、その「空気」が形を現しつつある。Yahooニュースにも出た、「「日本はもう立ち直れない」 だから「海外で働こう」に賛否両論 (1/2) : J-CASTニュース」という記事はそのひとつの形だろう。渡辺千賀ブログで、

1)日本はもう立ち直れないと思う。
だから、
2)海外で勉強してそのまま海外で働く道を真剣に考えてみて欲しい。

というエントリーが出て、ネットでは大きな議論になった。また、池田信夫氏はブログの『希望を捨てる勇気』というエントリーで以下のように述べている。

「明日は今日よりよくなる」という希望を捨てる勇気をもち、足るを知れば、長期停滞も意外に住みよいかもしれない。

このような議論の基本となっている認識は、「日本では失敗が許されない」という意識にあるようだ。このため、渡辺千賀氏は成功体験が経験できる海外に行くべきだと主張する。また池田氏は雇用を流動化して正社員だけが正解だという常識を覆すべきだと繰り返し主張するも、これを実現化しそうもない政治・社会に嫌気がさしたのか、日本はもはや緩やかに衰退していくしかないのかと嘆く。

この感覚はものすごく共感できる。失敗が許されないような、閉塞感を常日頃感じている。もし、自分が12人に選ばれれば、その閉塞感を打ち破れるような・・・、そう国民が感じられるようなことになんとか100億円を使おうとするだろう。物語もそのように進んでいくのかもしれない。

それにしても、100億円とはまた微妙な額だ。一生かけても使い切れない額ではあるが、国を動かす金であるかというとどうだろうか。ちなみに、私がつい先日まで参加していた、某メガバンクのシステム統合プロジェクトは、11万人月。つまり、簡単に100万/人月とすると、1100億円。100億円じゃシステム統合もできない。

となると、100億円を100億円のまま使うのではうまくない。100億円を元手に大きな金額を動かせるようなやりかたが必要だろう。日本人が、国とその未来に希望を見出せるような政策をコンペして、その発案者への報奨金と、その政策案を通すための各種賄賂くらいなら、100億円で足りるだろうか。

とまぁ、妄想していても仕方ない。今、自分がやれることを少しずつ考え、行動に起こしていくしかない。